奥深い水墨画の魅力に触れる
墨の濃淡で風景や草花などを描く水墨画。唐の時代に中国で生まれ、日本では、鎌倉時代に禅宗の広がりとともに盛んになったといわれています。墨以外の色を使った墨彩画も水墨画に含まれますが、墨の濃淡やぼかしによって描かれる独特の世界観で見る人を魅了します。「心墨会」は、そんな魅力に惹かれた人たちの集まり。60代を中心に30代から最高齢74歳まで13人のメンバーのほとんどは、いせトピア主催の水墨画講座の終了生。約6カ月の講座終了後にさらに水墨画を続けたい有志によって結成。筆の持ち方から1本の筆で濃・中・淡を描き分ける方法、墨の出し方、そして楮紙や麻紙といった和紙など紙の特徴を活かして、奥深い水墨画の世界を追求しています。「描いているときは『無』になれる」というメンバーの中には、全日本水墨画展や市の美術展に入選する人もいるとのこと。「墨には七色あるといわれます。そうした味が少しでも出せたときはお酒が美味しい」とあるメンバーはいいます。和気あいあいの雰囲気の中、それぞれの技術研鑽に励んでいます。
「おだやかな人柄と水墨画への情熱がすばらしい」とメンバーに評判の山本晃(画号:玉晃)先生(前列中央)とメンバー
静かな雰囲気の中で作品づくりに集中する皆さん
筆の使い方や濃淡の表現など、奥が深い水墨画の世界
墨の濃・中・淡を使い分けて幽玄な世界を表現
モチーフを探す観察眼も養われるといいます
それぞれの作品を批評しあい、技術向上をめざします
愛らしい猫を描いたメンバーの作品
墨の濃淡で太陽の眩しさを表現
身の回りの自然も水墨で描きます
何気ない日常の光景
光と影を墨一色で表現した作品
三重県伊勢市心墨会