伝統を受け継ぐ造形の楽しみ
江戸時代、伊勢参宮のおみやげとして一世を風靡した「伊勢根付」。「無事かえる」の語呂合わせからカエルなどをモチーフに、印籠や煙草入れを携帯するための道具として明治時代まで大きな人気を博していました。多気町彫刻会では、一般彫刻のほか、そんな伝統工芸の根付彫刻を可愛らしい動物やキャラクターなどに姿を変えて楽しんでいます。メンバーはペットや動物、落花生など、身近なモチーフを黄楊(つげ)の木から削り出し、およそ3、4cmの形に整えていきます。「正面だけでなく、表も裏も、6面から立体的に眺めることができる。小さくていつでも手のなかに収まる大きさもいいね」と、会長の奥田さんは、その魅力を話します。初めは、球体に近いひょうたんや落花生などを製作し、印刀(彫刻刀)の基本的な使い方や木目に応じた削り方を習得。徐々にオリジナル作品作製を目指していきます。「丸みを帯びた形が癒やされる」「出来上がったときの達成感がいい」。黙々と印刀を動かしながら、皆さん笑顔で作品づくりを楽しんでいます。
30代から80代まで、メンバーの皆さん
自分のペットを彫るメンバー。写真を見ながら細かなところも再現
手のひらにピッタリと収まる大きさも魅力
サイに挑戦。皮膚の質感もリアルに再現
根付では世界的評価の高い中川忠峰先生が指導
奥田会長も一般彫刻を指導
作品を見ながらの話し合いも楽しいひと時
愛らしい表情を見せるメンバーの力作
ストラップやおしゃれな根付
第1水曜日は一般彫刻も行っています
三重県多気町多気町彫刻会