悠久の時間を越える伝統の技を楽しむ
「篆刻(てんこく)」とは、中国を起源とする印章を彫ることを指し、主に篆書(てんしょ)や金文(きんぶん)と呼ばれる古代中国の漢字の書体を石などに彫ることをいいます。書と彫刻を併せ持つ芸術として古くから中国はもちろん、日本でも多くの文人に愛される趣味として伝えられてきました。東方篆刻・書道研究会は、18年ほど前の篆刻講座を受講した人を中心に生まれた自主サークルで、中国出身の高潤生さんを講師に彫り方だけでなく文字や篆刻の歴史なども含めて学んでいます。「書道とは違い、石に彫る立体的なクラフト感が魅力」「自分の好きな言葉や文章が独創的な作品になる」と皆さんは篆刻の魅力を語ります。高先生は、本来はない「かな隷書」をつくり、より身近な言葉での表現をすすめています。「もっともっと文字で遊んでほしい。時代を映すような言葉や身近な文章を表現する。『遊印』というそんな楽しみ方を知ってほしい」と話します。人生訓から好きな一文字、さらには季節を表現する文字やことばなど、皆さんそれぞれの思いを石に刻んでいます。
篆刻だけでなく書道も教える高先生(前列右)とメンバーの皆さん
毎回配られる書体の見本
篆刻技術だけでなく、歴史や背景まで学べる高先生の講座
掘り方のコツや書体の形を学びます
まずは高先生のお手本
高先生の高度な技術を直接学びます
メンバーの作品に的確なアドバイス
メンバーの作品「秋高く馬肥ゆる」
「酒は微酔に飲む」「楽しい」「腹八分」など、身近な言葉をまとめた高先生の『養生譜印』
三重県伊勢市東方篆刻研究会